【展示会レポート】FOOMA JAPAN 2025 食品製造機器展
- 進化する画像処理と自動化技術の最前線から
皆さま、こんにちは。
今回は、6月10日〜13日の4日間、東京ビッグサイト全館を使用して開催された「FOOMA JAPAN 2025(国際食品工業展)」に関する展示会レポートをお届けいたします。
本展示会は食品製造業界最大級の規模を誇り、主催は日本食品機械工業会。来場者は10万人を超え、出展希望企業の多さから「希望ブースの半分しか確保できなかった」という声も上がるほどの盛況ぶりでした。まさに業界の関心が集中する一大イベントです。
弊社に関連する画像処理装置や自動化機器の最新動向を中心に、実際に足を運び、特に印象に残った点をレポートいたします。
■ 画像処理 × AI:サンプルベース検査が進化中
近年、AI技術の進化により、従来の「不良品を学習させる方式」から、「良品サンプルを基準にした画像検査」が注目を集めています。この手法は、少ないサンプル数で導入が可能なため、初期段階から一定の精度で運用を開始できる点が特長です。
ただし、当然ながら学習量が不足している段階では誤検出や見逃しも起こりやすく、運用中も継続的な“ティーチング(学習の追加)”が重要となります。
印象的だったのは、アーモンドの欠けを検出するデモンストレーション。複数のカメラで空中に放ったアーモンドを360度から撮影し、画像解析後にエアジェットで不良品を弾くという仕組み。古くは米の選別にも使われていた技術ですが、今やその処理スピードと精度は格段に向上しています。
■ 自動化の最前線:省人化を超え、無人化へ
製造ラインにおける「省人化」は、いまや「無人化」へと進化しつつあります。
特に注目されたのは以下のような機器群です:
- 大型家畜(牛・豚など)の解体ライン
- 饅頭などを成形する全自動包餡機
- 自動梱包・箱詰め装置
- 自動パレタイザー(製品を自動でパレット積載)
従来、コンベアに人が並び手作業で行っていた工程も、今ではAI・ロボティクスを駆使した自動化が可能になっています。特に食品以外の物流・包装工程にも転用可能な装置も多く、業界横断的な活用が期待されています。

■ まとめ:導入のハードルは“情報”と“判断力”
現場導入の鍵となるのは、「どの工程にどの技術を導入すべきか」という見極めと、それに必要な最新情報の収集です。FOOMAのような展示会は、製品を“実機で体感できる貴重な機会”であり、今後の設備投資や改善のヒントが数多く見つかります。
弊社では今後も、現場視点に立った技術情報の収集・共有を行ってまいります。ご興味がある技術分野や導入をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ご一読いただきありがとうございました。
今後もこうした展示会レポートを定期的にお届けしてまいります。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。